Friday, October 27, 2006

今日の日経~姿変えて続くばらまき

「文化や芸術を通じ住民の交流を促したい」。人口が2万人にも満たない、人口減少が続く過疎地の町に、音楽ホールなどを備えた施設を作る。その総事業費は11億円。この額は町税など、町の自主財源の1年分の半分強にあたり、このうち40%は国からの「まちづくり交付金」で、残りも国から配られる地方交付税で返済資金の70%が保証される過疎債でほぼ賄(まかな)われ、町からの実際の持ち出しは全体の3%ほどの3,500万円程度に過ぎない。

この町がどのような町であるのかは知らないが、これはこの町の10年、20年先を見越した政策なのであろうか。今の日本中を見渡せば、無駄となったハコモノやテーマパークが数多く存在する。これが人口の増加も伴った戦後の高度経済成長期であれば話はちと違うだろう。そういう無駄に終わってしまったハコモノなどの見学に行ったりしたのだろうか。今ほど投資の難しい時代はない。今は昔とは明らかに違うのだ。

上の県や近隣の市町村はどう思っているのだろうか。後々これが大事になってくるのではないかと思う。それは、それが市町村合併の足かせになるだろうと思うからである。借金をしてまでも作るべきものなのか、聞いて回った方が良い。

国も国である。この日本自体が今や借金王国であることを忘れているのではないだろうか。よく検討もせず、安易に国のお金を配るのであれば、「ばらまき」と言われてもしょうがない。最終的にその維持費と弁済で苦しむならば、いっそ自然の緑地にしておいた方がよっぽど良い。緑は実際にお金で買えないものを私たちの棲(す)む環境に恵み与えてくれるのだから。

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