宗教を考える~イスラム教(イスラーム)③
イスラームの根本聖典、コーランは正確にはクルアーン(al-Qur'an)といい、アラビア語で「誦(よ)まれるもの」を意味し、長い章から短い章の順に並べられており、前半がメディナで受けた啓示、後半がメッカで受けた啓示である。
メディナ啓示は、当時に拡大していたムスリム(イスラーム教徒)共同体の発展に伴う様々な問題を解り易く、散文的に、かなり長く述べられている。メッカ啓示は、唯一の神を信仰すべきこと、最後の審判、天国と地獄について詩的で、重厚な文体で、簡潔に述べられている。 宗教的な事柄ばかりでなく、政治、経済、社会、文化、道徳など、信徒達の生活のあらゆる面に渡って言及している。ムスリムにとっては、コーランは天の聖板に記された書の写しであり、天使ジブリールが天から携(たずさ)えてきて、ムハンマドに読みきかせたものとされている。ムスリムであれば、何節かは暗記しているのが普通であり、老後はコーランを誦んで暮らすというのがムスリムの理想とされている。
コーランが書かれたアラビア語は神の言葉とされ、他の言語へ翻訳されたものはコーランそのものとは認められない。仏教やカトリックなどと違い、異本や外典が無いのもコーランの特徴である。
イスラームにおいては、ユダヤ教徒の「律法」も、キリスト教徒の「旧約聖書」と「新約聖書」もコーランと同様、神から下された「啓典」とされている。コーランはこれらの確証として、天上にある啓典の母体に基づいて改訂されたものであり、啓典の中で最後の、最も優れたものとされている。
(引用文献:仏教 キリスト教 イスラーム 神道 どこが違うか)
Tuesday, October 17, 2006
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