Monday, October 23, 2006

ひとりごと⑲

今日は2年前に起きた中越地震とその後の被災地の復興について、ほとんどの新聞やテレビで取り上げている。私は地震などの大災害に実際に遭ったことがないので、今ひとつ実感が湧かないが、テレビの映像などで被災した方々の今の生活を見ることにより、その災害の爪痕の深さを思い知ることができる。

日本は地震の多い国である。初夏から秋にかけては台風も来るし、冬になれば場所によっては大雪も降る。温暖化が進んでいる昨今では、自然がもたらすその威力や規模がますます大きくなってきているようである。今もなお仮設住宅に住んでいらっしゃる方々の、元の家に戻りたいといった気持ちを逆撫でするようかもしれないが、わざわざ暮らしにくい場所に戻って住まなくても良いのではないだろうか。山を下りて市街地に移り住んだ方々は正しい選択であったのだと私は思う。長い目でみれば、これからもこの場所には地震や大雪、大雨などの自然災害が起こり得る。なかでも、崖のそばや傾斜地などは人が住むには物理的にリスクが高過ぎる。標高が高ければ、当然に気温も低いので雪が降りやすく、更にその降った雪も解けにくいだろう。また、傾斜が強い場所に雨が降れば、その雨水が下の方へと流れていくスピードは平地でのそれと比べても桁違いであろう。特にお年寄りや体の不自由な方々の生活する場所としては酷な場所であり、人がある程度過密に住んでいる場所の方が何かと安心である。

実際に現地に行ったこともないのだが、そういった場所でも、綺麗な水や肥えた土壌、寒暖の差があったりもすれば、それを活かした農作物の栽培もできるだろうし、風光明媚な自然の風景や温泉、特産物でもあれば、観光地としても十分に機能するだろう。人は安心で便利な市街地に住めば良いと思う。

地方の過疎化、そういった地方の自治体の財政悪化、地方交付税の問題など、国策による地方経済の早期安定は望めないのが現状。私の考えでは、過疎化はある意味自然なことであると思う。人の生活の基本は「衣・食・住」である。食べることの大切さもさることながら、人を雨や風といったものから守り、疲れた心と体を休ませてくれる家もまた大切である。住む場所を選ぶ上でのポイントはたくさんあると思うが、まずは安全性。前述のことを考慮して、自然災害がより起こりにくい、もしくは起きた際の被害がより小さい場所を選ぶべきである。今の日本を考えれば、山岳地帯や0メートル地帯(海面よりも低い土地)、河川や海に近い土地、工場やゴミの廃棄場・焼却場、火力・原子力発電所、軍事基地のある土地などを除いた場所であろう。 人は比較的安全な場所に住み、働く者はそこから営みの場所へと通えば良い。山間の牧場であったり、田畑であったり、工場であったりと。そして、人の営みの場所でもあり、これからもヒトが自然界の中において、自らの存続を果たす為に不可欠な自然の保護・管理という観点からも、山岳地帯などに存在する町や村と、多くの人が住む住宅地区としての市町村とをいっしょにして考えるべきではないだろうか。そういう意味での市町村合併は、私は大賛成である。

No comments: