Friday, October 13, 2006

宗教を考える~キリスト教⑦

キリスト教では古くから、信仰生活の基礎教育に「使徒信条」と「十戒」と「主の祈り」が使われた。「使徒信条」は、教理の要約であって、何を信じるかが明らかにされている。「十戒」は、倫理の根本を示しており、何をすべきかを教えている。「主の祈り」は、キリストによって教えられた祈りであって、どう祈るかを例示するものである。このように、神とその恵み深き御心を知り、神に祈りつつ、信仰と希望と愛をもって神に応えて生きるのがキリスト教的生活の基本である。
このような生活指針の一例として、日本基督教団の「生活綱領」を掲載する。
「われわれは、神の恵みにより父と子と聖霊の名においてバプテスマを受け、主の体なる教会に入れられた者であるから、すべての不義と迷信とをしりぞけ、互いに主にある兄弟姉妹の交わりを厚うし、常に神の栄光のあらわれるように祈り、次のことを相共につとめる。
1.教会の秩序を守り、その教えと訓練とに従い、聖日礼拝・祈祷会(きとうかい)その他の集会を重んじ、聖餐※1(せいさん)にあずかり、伝道に励み、時と財と力とを捧げて教会の維持発展に尽くすこと。
2.日々聖書に親しみ、常に祈り、敬虔※2(けいけん)・純潔・節制・勤労の生涯を全(まっと)うすること。
3.家庭の礼拝を重んじ、家族の和合を尊(とうと)び、子女を信仰に導き、一家揃って神に仕えること。
4.互いに人格を重んじ、隣人を愛し、社会の福祉の為に労し、キリストの正義と愛とがあまねく世に行われるようにすること。
5.神の御旨に従って、国家の道義を高め、国際正義の実現をはかり、世界平和の達成を期すること。
願わくは神、我々を憐(あわれ)み、この志を遂げさせたまわんことを。」
現実の歴史は、単純に進歩発展するものでなく、むしろ自然破壊や貧富の差の深刻化など、危機的な様相を呈しているが、我々はキリストが神の国を約束しておられることに信頼して、希望と勇気をもって生きるのである。

(引用文献:仏教 キリスト教 イスラーム 神道 どこが違うか)

※1聖餐:キリストの最後の晩餐を記念し、キリストの肉としてパン、血としてぶどう酒を信者が受ける儀式
※2敬虔:敬(うやま)い、つつしみ深くするさま。神仏を深く敬いつつしんで仕えるさま。

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