Monday, January 15, 2007

ひとりごとⅢ⑯

この週末の日経プラス1より、『医食同源(いしょくどうげん) そば、野菜や脂肪(しぼう)と一緒に~みずから、そばを打って食べるひとが増えてきた。楽しいし、本格的(ほんかくてき)そばの味が味わえるからだ。さらに、そばは白米(はくまい)や小麦粉(こむぎこ)に比(くら)べて良質(りょうしつ)なたんぱく質、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛(あえん)、銅(どう)、ビタミンB1、B2、食物繊維(しょくもつせんい)などが多く含(ふく)まれ栄養価(えいようか)が高い。他に抗酸化作用(こうさんかさよう)がある、ルチン、これは毛細血管(もうさいけっかん)を強化(きょうか)し、脳出血(のうしゅっけつ)や出血症(しゅっけつしょう)の病気を予防する。またカテキン類(るい)やプロアントシアニジンが含(ふく)まれ、ともに抗酸化作用がり、生活習慣病(せいかつしゅうかんびょう)を防(ふせ)ぐという。その他、血圧降下作用(けつあつこうかさよう)を持つアンジオテンシン変換酵素阻害成分(へんかんこうそそがいせいぶん)が含(ふく)まれていることも明らかになった。ところで、そばには白っぽい更科(さらしな)そばと黒っぽい薮(やぶ)そばの二つに分けられる。=中略=なお市販(しはん)されている安価(あんか)なそばは、そば粉含有量(そばこがんゆうりょう)3割以上とされているが、実際(じっさい)は小麦粉の方が多い。そば粉の多いそばをとりたければ、みずからそばを打つか、二八(にはち)そば(そば粉8割)とか、十割(とわり)そばと呼んでいるものをとればよい。そばをとるときには、不足しやすい野菜や脂肪を補(おぎな)うことが大切。そのためか、てんぷらなどがよく添(そ)えられる。』

おそばか、この暮れでさえも食べなかった。きっと、一緒(いっしょ)に食べてくれる人が居なかったから、作るのを面倒(めんどう)に思ったのだろう。料理は自分が作ったものを、一緒(いっしょ)に食べてくれる相手が居ると居ないとでは大違いである。料理は作る人にとって、相手が美味しそうに食べる姿(すがた)を見ながら、また「美味しい」などの感想(かんそう)を聞きながら、一緒に食べることによって幸せな気持ちになれるものだと私は思う。

おそばを食べようと思えば、近所におそば屋さんは何軒(なんけん)かある。子供の頃から食べていた手打(てう)ちの二八そばを食べたいと思うことはある。失礼だが、スーパーで売っているものや駅中そばとは全然ちがう。美味しいそばを食べたいんだといった食欲(しょくよく)が勝(まさ)れば、多少の出費(しゅっぴ)は厭(いと)わない。食べてやっぱり美味しかったということになれば、それは満足感や幸福感へと変わる。そして、またここに食べに来よう、今度あの人に紹介(しょうかい)してあげよう、といった気持ちにもなる。そういうお店で美味しいおそばを誰かと、いや、ひとりでも良いや、食べたいものである。

もしも自分がおそば屋さんだったら、やっぱり「こだわる」だろうと思う。もちろん、工場で作られたものは一切使わない。自分で一からそばやうどんを打つだろう。「きしめん」や「ほうとう」も好きだし、ルチンを多く含む「だったんそば」も良い。あとは、おつゆだ。昆布(こんぶ)や鰹節(かつおぶし)から十分にお出汁(おだし)を取り、おそばが持つ風味(ふうみ)を殺(ころ)してしまわぬよう、味つけには細心(さいしん)の注意を払う。塩味(えんみ)、それからお酒や味りん、そして最後に、日本ならではの醤油(しょうゆ)の薫(かお)りを効(き)かす。ここまでやるなら、やれるなら、きっと「妥協(だきょう)」の二文字(ふたもじ)は脳裏(のうり)から消え去っていると思う。「ものづくり」、こと「料理人」にとって大切なのは食べてくれた人の「美味しい」といった言葉。サラリーマンは60や65歳で定年(ていねん)だが、個人事業主(こじんじぎょうぬし)は体が続くまで、お客さんが来続ける間、現役(げんえき)で働くことができる。今からでも決して遅くはない。「ものづくり」にも、「生き方」にもこだわると良い。そうすれば立てるはずだ、ひとりでも、ふたり寄(よ)り添(そ)い合ってでも

今回の標語 「リアルとバーチャル」 (1106)

「日本沈没まで、あと188日」

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