ひとりごとⅤ⑤
『政務調査費とは地方議員の調査研究活動を支援するため、地方自治体が議員個人や議会の各会派に支給する資金のことで、私たちの税金で負担しています。議員の給与にあたる報酬(都道府県で平均月額約80万円、町村で同20万円)とは別に支払われます。
会社員の出張などの経費は会社が負担します。地方議員も行政の監視や条例制定などのため視察に出かけたりしますが、政務調査費はその経費に充てます。
一人当たりの平均金額は都道府県議会で月約35万円、市で同約5万円、町村で同1万円程度です。最高は東京都の月60万円ですが、市町村では支給していない例も多く、自治体によって差があります。戦前はかかった調査費用を支給する方式でした。戦後は地方自治法に基いて補助するようになり、2000年の同法改正で政務調査費として制度化されました。支給するには地方議会ごとに条例で金額などを定める必要があります。各議員や会派は年度末に使途を記した収支報告書を議長に提出し、残額は返還しなければなりません。
国会議員も給与にあたる歳費(月額約133万円)とは別に、立法事務費(同65万円)や文書通信交通滞在費(同100万円)が支払われていて、これらが政務調査費に相当します。
各地で政務調査費のずさんな使用実態が明るみに出て問題になっています。東京の目黒区議会では昨年11月、区議のカーナビゲーションシステム購入費や車検整備費が政務調査費から支払われていたことが発覚。公明党区議6人が全員辞職しました。品川区議会では自民党の区議団が、01-02年度に支給された政務調査費からビアガーデンなどでの飲食代を支払っていたことを認め、全額を返還しました。これら以外にも、不適切に支出された政務調査費の返還を求める住民訴訟が全国各地で相次いでいます。
住民監査などでは使い道として正当か疑わしいものも多く見つかり、「第二の報酬になっている」と批判されています。財政破綻した北海道夕張市は議会のチェック不足が指摘されました。ほかにも多くの自治体が多額の借金を抱えて財政難に陥っており、調査費を受け取りながらチェック機能を果たさない地方議員に対する不信感が強まっています。
1990年代からの地方分権の推進に伴い、地方議会のチェック機能は重要性を増しています。議員が襟を正さなければならないのは当然ですが、住民も議員活動をチェックし、投票に反映させることが求められているといえそうです。』 (2月4日 日経新聞)
Friday, March 02, 2007
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