ひとりごとⅤ⑦
確定拠出年金 転職者の6割放棄
『確定拠出年金を転職先に持ち運ばず、運用を放棄している人の数が、転職者全体の約6割にあたる74,600人いることがわかった。厚生労働省の外郭団体の国民年金基金連合会が1月末時点で調べた。雇用の流動化に合わせ年金も持ち運びしやすい仕組みをつくったが、手続きが必要で、十分活用されていないことが浮き彫りになった。厚労省は転職者が自動的に年金を移せるよう転職者の積立金を専門に運用するファンドをつくることなど新たな制度の検討に入った。
▼確定拠出年金(日本版401k)
加入者本人や企業が毎月一定額を拠出して、積立金を投資信託※1や債券※2などで運用する制度。リスク度が異なる金融商品を加入者の意思で組み合わせ、運用成績によって将来受け取る年金額が変わる。確定給付年金は企業が将来払う年金額を約束している。
※1投資信託:多数の投資家が資産運用会社に資金を預け、資産運用会社がその資金を株式や債券、金融派生商品などの金融資産、あるいは不動産などに投資し、その運用で得た利益を投資家に分配する金融商品。
※2債券:国(国債)、地方公共団体(地方債)、政府関係機関や特殊金融機関(政府保証債)、事業会社(社債)などが資金を調達する際、債権・債務の内容を券面上に実体化させて発行する有価証券のことで、株式とは異なり、配当は無く、その代わりに利息がつく。
確定拠出年金は確定給付年金など他の企業年金とは異なり、企業を窓口にするが、企業ではなく個人が金融機関と運用の契約を結ぶ。従来の企業年金は転職すると、年金制度が終わってしまい、積立金を精算する必要があるが、確定拠出年金は転職先が導入していなくても、一定の手続きをすれば引き続き加入できる。2001年に発足し、1月末で8,000社が採用。加入者数は06年12月末で218万人いる。導入企業が増えたことで05年3月末と比べ2倍程度に増えている。連合会によると今年1月末時点で、確定拠出年金制度がない企業への転職に合わせて年金を持ち運ぶ手続きを済ませた人は59,708人いる。これに対し、手続きせず、結果として運用を放棄している人は、1万人以上多い74,633人に達した。確定拠出年金は転職後、半年以内に切り替え手続きをしないと運用を放棄したとみなされ、積立金は連合会に移る。運用は一時的にできなくなり、その間の運用利回りはゼロになるうえ、月50円の手数料を取られる。この結果、将来契約手続きをしても、この間の元本は目減りし、年金受取額は減る。しかも、この間は加入期間に数えない。加入期間は10年を超えないと年金は60歳からもらえなくなる。』 (3月1日 日経新聞)
Saturday, March 03, 2007
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
No comments:
Post a Comment