ひとりごとⅥ⑥
農地集約に公的資金 利用権「再生機構」が売買
政府は農業の生産性を高めるため、公的資金を使い農地を集約する制度を創設する検討に入った。全国の市町村に設置する公的機関「農業再生機構」(仮称)が耕作放棄地(遊休農地)などの利用権を買い取り、株式会社など新たな農業の担い手にまとめて売却する仕組みをつくる。2008年度から一部地域で導入する方針だ。国内の農地を大規模化して、競争力を強化する。
=以下、記事より抜粋=
新制度は農村を中心とした全国の市町村に、国と自治体が共同出資する「農業再生機構」を設置する。地域の事情に精通した農業関係者らの専門家を機構に入れ、売買の仲介役とする。機構は国の資金を元手に、複数の農家が持つ遊休農地、耕作地などの利用権をまとめて買い取る。利用権は要望に応じて別の農家や農業法人などに一括して売却し、営農の大規模化を進める。長期利用を促すため「最低10年以上の農地活用を売却の条件とする。所有権を手放すことに抵抗感がある農家も多いため、利用権を売買して農地を有効活用する。大規模農家でも飛び地が多いのが実情で、効率が悪い。企業が農業に参入する場合でも、大規模耕作に適した場所を探し出すのは難しいとされる。政府は農業の体質を強化し、国際的な競争力をつけるためには規模拡大と効率化が不可欠と判断。現在、農地を集約する仕組みとしては、市町村や農業協同組合が主体となってつくる「農地保有合理化法人」(全国に約560法人)などがある。ただ、規模が小さく媒介役としては力不足で、効果を上げていない。このため国の支援を明確にして、新しい機関に衣替えする。政府は4月から農家に一律助成するばらまき型の農業補助金を改め、一定規模以上の農家に重点配分する制度を始める。新制度で土地の流動性を高め、新型補助金を定着させる狙いもある。 (3月22日 日経新聞)
大規模農営は土地の所有権が絡む問題だけに、そう簡単には進まないだろう。大規模農営を推進してゆこうとする側からすれば、ここで云う遊休農地よりも耕作農地の方が厄介なのではないだろうか。
日常的に農業に従事している人口年齢構成を見ると、65歳以上が6割近い。65歳と云えば、年金を受給する年齢である。国民年金(基礎年金)だけの人も居れば、中には厚生年金や共済年金を(も)受給している人も居るだろう。ひたすら専業で農家をやってきて、夫婦2人で月14~5万円の国民年金だけで生活してゆくのは苦しいのではないか。もし、農地があるならば、少なくとも自分らが食べる分は作ってゆきたいと思うだろう。一方、役所や一般企業に勤めながら兼業で農家をやってきた人の中にも、厚生年金や共済年金を受給しながら同じように食べる分だけ作ってゆきたいと思う人が居るはずである。もし、後者の方であれば、農業や農地から離れても生計は立つかもしれない。しかし、実際に数が多かろう前者の場合だと、生計的に難しいはずである。
最低10年以上という利用権売買の条件も微妙である。10年後、または10年も経たぬ内にもめてるような気がする。年月が経ち、必ず発生するのが相続の問題である。相続人の数は単数でないことが殆どだろうし、また、その相続人もきっと「十人十色」。今の格差社会の最中では目の色も変わる。そんな相続時のトラブル回避のため、地元金融機関による遺言信託を考えておきたい。また、自分が動ける間は農業を続けてゆきたいと思う人には、農作地の交換や、農作地を提供することで地代家賃を貰いながら大規模農営に参加できるといったのもあって良い。これらはすべて私の個人的な推測のもとでの考えなのでなんだが、つまりは国や政府の都合ばかりで物事を進めないで欲しいということ。今日の輸入食物の増加やそれに伴う減反(げんたん)、遊休農地の増加は今の国や政府(自民党)が長年に亘って推し進めてきた悪策に因るものである。
今回のボヤッキー 「爺様と婆様のボケが心配だから、田舎に電話しておこうと考えるのであります」
「日本沈没まで、あと122日」
Thursday, March 22, 2007
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