Monday, March 19, 2007

ひとりごとⅥ②

監査法人、信頼揺らぐ















『上場企業や一定の条件を満たす大企業は、黒字か赤字か、どのくらいの資産や借金があるか、といった財務内容を書類(財務諸表)にまとめて定期的に公表しなければなりません。監査法人とは、その財務諸表が基準に従って正しく書いてあるかをチェックする大切な存在です。もし、監査法人にチェックが不十分で企業の財務諸表に不正や間違いがあったまま公表されれば、どうなるでしょうか。投資家や金融機関は企業の正しい姿を知らずに投資や融資、取引の判断をすることになります。投資のチャンスを逃したり、逆に思わぬ損害を被(こうむ)る恐れがあります。監査法人は、投資家らが適切に判断できるように財務諸表の不正や間違いを指摘します。健全な市場を保つ「市場の番人」なのです。

監査法人が不正会計を見逃したり、さらには不正に手を貸したりする不祥事が相次いだ背景には、いくつかの理由が考えられます。一つは、企業と監査法人とのなれ合い体質です。監査法人は、監査の依頼主である企業からは独立した立場で、財務諸表を厳正にチェックするのが役割です。しかし、そもそも報酬をその企業から受け取っているため、「お客様」の企業に対して厳しい意見を言いにくいとの声もあります。ついつい企業に都合のよい財務諸表の作成を認めてしまう、という事態に陥(おちい)りかねません。=中略=人手不足の問題もあります。企業の監査業務をするには公認会計士の資格が必要です。会計士は現在、約1万7千人おり、このところ増え続けています。しかし、華やかで収入の多いコンサルティング業などに流れる傾向が強まっているといわれ、監査法人に属する会計士は半分程度にとどまっています。その一方で、監査法人の業務は増え続けています。経済のグローバル化に伴って企業会計も国際化しており、会計士は国際会計基準など最新の知識を頭に入れなければなりません。負担は重くなるばかりです。

政府は今月13日、公認会計士法の改正案を決め、国会に提出しました。=中略=改正案の狙いは多岐にわたりますが、その一つが先に述べた企業とのなれ合い体質の解消です。たとえば、会計士の再就職先の制限が厳しくなります。現在でも、ある企業の監査業務にかかわった会計士は、退職後にはその企業には再就職できません。改正後は、その企業だけでなくグループ企業にも再就職できなくなります。また、大手の監査法人が上場企業を監査する場合には、中心となる会計士(主任会計士)は最長5年で交代しなければならなくなります。このほか、粉飾決算にかかわった監査法人に課徴金を課す制度を導入したり、監査法人の財務状況などの情報を開示することを義務づけたりしています。ただ、監査法人に厳しい措置を取るだけでなく、監査法人が企業に対して率直に意見を言える環境そのものを整えていくことも欠かせません。=以下略』 (3月18日 日経新聞)

企業の粉飾決算によって被害を被るのは、ここでいう投資家や金融機関だけではない。その企業で働く従業員もそうだろうし、その企業の下請け企業や取引先の企業、さらに上場企業であれば証券市場にまで影響が及び、結果、その国の経済をも揺るがすかもしれない。企業の粉飾決算を無くす為、企業とのなれ合い解消は絶対に欠かせない。その為には会計士への報酬の出処を替える必要がある。企業からの報酬とは、おおよそ企業の経営者からの報酬である。経営者を除く株主らが会計士の選任や報酬を決めるというのも考えられるが、あまり違いは無さそうである。いっそ企業の経営者が嫌がる、国税庁や税務署のような存在にした方が良い。このような高い倫理が求められる業務こそ、公務員がやるべきなのかもしれない。そして、会計士の企業監査以外の業務は禁止した方が良いだろう。また、監査法人の法人としての存在自体も個人的に良いとは思わない。3大監査法人の規模ともなれば、担当している企業の数は相当なものであり、その財務情報に対しては当然に守秘義務があるのだろうが、その財務情報は担当している企業の数だけ一監査法人に集まる。その点で大規模な監査法人には良からぬことが起こりかねないと思うのである。さらに、会社四季報を見ていると、グループ企業内(親会社と子会社)で同一の監査法人というのが存在する。こういった場合には企業毎に別々の会計士がチェックをするようにするか、クロス監査にすべきである。

それよりも政府、特に与党は、己らを監査するしくみを早急に作らなければならないはずだ。虚偽、粉飾、捏造は、もう要らない。

「日本沈没まで、あと125日」

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