Friday, May 18, 2007

宗教を考える~宗教カルト⑤

GDP主義を環境と言いくるめる公明党
今年(2004年)2月、インターネット接続サービス「ヤフーBB」をめぐる恐喝未遂事件が起きたことは記憶に新しい。ヤフーBB代理店「SST」社長・竹岡誠治と副社長・湯浅輝昭は、元右翼系政治団体代表の森洋とともに、ヤフーBBの顧客情報460万人分が記録されたDVDを入手。ヤフーBBの親会社「ソフトパンク」に対し、「情報を外部に流されたくなければ設立を予定している合弁会社に20~30億円投資してほしい」と恐喝した。この事件の経緯以外に、大手新聞が報じなかった事実がある。SST社長・竹岡誠治と副社長・湯浅輝昭は、ともに現役の創価学会幹部であったということだ。竹岡誠治はかつて共産党の宮本顕治宅盗聴事件の実行犯である。

竹岡は98年までは聖教新聞に勤務していた。その後さまざまな事業に手を出し、2000年2月、環境に関するコンサルタント業務を行う「環境社会研究所」を設立し、その2年後にSSTを立ち上げた。「環境社会研究所」は「循環型社会推進議員連盟」とも接点を持っている。議連には橋本元総理などの自民党議員も含め、公明党議員が多く名を連ねている。竹岡の会社は、議連の勉強会に講師などを派遣し多額の報酬を得る「コンサルタント業務」を展開していたのだ。竹岡がこうした「環境ビジネス」をはじめたのは、公明党が政策の一環として環境問題を取り上げていたからだ。竹岡は本気で「環境問題」に取り組もうとしていたわけではなく、政治家を通じての「環境ビジネス」という利権に群がったのである。公明党のホームページでは「循環基本法」について次のように解説している。

「具体的には、経済社会の物質の流れについて、『入口』『循環』『出口』に分け…『入口』ではより少ない資源の投入で効率的にGDP(国内総生産)を生み出すことを目指し、世界でトップクラスの日本の『資源生産性』(GDP÷天然資源等投入量)を、00年度比でさらに約4割アップする…。『循環』では、…『循環利用率』を、00年度比で約4割アップ…。『出口』では、一般廃棄物と産業廃棄物を合わせた『廃棄物最終処分量』を、00年度比でほぼ半減…。…そのほか、循環型ビジネス(廃棄物処理業、再生資源流通・加工業、再使用製品流通業など)について、市場規模と雇用規模を、97年度比で、それぞれ倍増する」

おいおい、このどこが環境主義なのだ。これまでどおりの経済成長主義そのものではないか。大量生産・大量消費・大量廃棄の構造を見直すのではなく、循環型社会を新たな産業の創出としてとらえているだけだ。環境派のポーズをとりながら、実は公明党は相変わらずGDP第一主義・大量生産主義なのである。

なおかつ公明党は、最も深刻な放射性廃棄物の問題に関してはぱっくり口を閉ざしたままだ。公明党はマニフェストで新エネルギーに対して見解を述べているものの、そこには一言も原発をどうするかは書かれていない。環境派とかいうが、結局その中味は自民党とほとんど変わらないのである。そこには金儲けが一番という以外の何のビジョンもないのだ。現世利益だけが優先されて、地球環境破壊への警鐘も、世代間倫理の問題もまるで無視されている。

与党に入るまで、公明党が「反自民」とか掲げてきたのは一体どこにいったのだ。竹岡の事件に象徴されるように、権力に取り入り「利権」を獲得することだけが宗教者の本心であったとは。日本を金儲け主義のカルト支配にゆだねてはならない。
(引用文献:2004年6月25日発行 『SENKI』 1148号3面)

「日本沈没まで、あと65日」

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