Wednesday, April 18, 2007

ひとりごとⅦ⑦

長崎市長が死亡 銃撃事件 トラブル逆恨みか
2007年4月18日 夕刊 TOKYO Web
JR長崎駅前で銃撃され重篤状態だった長崎市の伊藤一長市長(61)は18日午前2時28分、大量出血のため、蘇生(そせい)措置を受けていた長崎大病院で死亡した。病院によると、緊急手術で人工心肺を装着したが意識は一度も戻らず、妻十四子さん(61)ら家族に見守られながら息を引き取ったという。殺人未遂の現行犯で逮捕された指定暴力団山口組系水心会会長代行、城尾哲弥容疑者(59)=同市風頭町=は長崎署捜査本部の調べに「市とのトラブルが頭にきていた。市長を殺し、自分も死んでも構わないぐらいの気持ちでやった」と供述。2003年に市道工事現場で自分の乗用車に傷が付いたことをめぐり、道路工事会社や仲裁した市とトラブルになり、市役所に30回以上抗議に押し掛けていたことも新たに分かり、捜査本部は城尾容疑者が市への逆恨みを募らせていたとみて、市長銃撃に至った経緯を詳しく調べる。捜査本部は18日、容疑を殺人に切り替え、城尾容疑者宅や水心会事務所など5,6カ所を家宅捜索した。長崎市によると、城尾容疑者は03年2月24日、市道工事現場の陥没個所で車が損傷したと主張。バンパーに傷が付いた程度だったが、道路工事会社に補償金約60万円を要求し、市道路維持課が仲裁に入った。城尾容疑者は市役所に来るたびに要求をつり上げ、最終的な額は2百数十万円になった。市は県警に相談し、不当要求に当たるとして05年1月、交渉を打ち切った。城尾容疑者はその後もこのトラブルをめぐって、伊藤市長や市の担当者を刑事告発したり、自身のホームページに主張を掲載し続けたりしていた。ただ、市長への面会要求は一度もなく、市の担当者も「軽微な事案」と市長には経緯を報告していなかった。伊藤市長は17日午後7時50分ごろ、長崎駅前にある事務所前で選挙カーを降りた直後、待ち伏せしていたとみられる城尾容疑者に背後から2発撃たれた。弾丸は2つとも右肩甲骨の下から体内に入り、肺と心臓を突き破って胸骨で止まっていた。

殺人(未遂)の現行犯で逮捕された指定暴力団山口組系水心会会長代行、城尾哲弥容疑者(59)=同市風頭町=は長崎署捜査本部の調べに「市とのトラブルが頭にきていた。市長を殺し、自分も死んでも構わないぐらいの気持ちでやった」と供述。
(2007年4月18日 TOKYO Webより抜粋)

「数日前に(銃撃を予告する)紙を報道各社に送った」と供述。
(2007年4月18日 四国新聞より抜粋)

「市長、許せない」と郵便物
長崎市長銃撃事件で、殺人(未遂)の現行犯で逮捕された暴力団幹部 城尾哲弥容疑者(59)の名前が差出人として書かれた郵便物3通が17日、テレビ朝日(東京都港区)のニュース番組「報道ステーション」あてに届いたことが分かった。テレビ朝日は「伊藤一長市長を告発しているとみられる内容だが、犯行に直接つながるような文言はなかった」としている。警察には届けなかったという。中身は、4枚の紙に書かれた、伊藤市長を告発しているとみられる直筆の文書と、告発内容に関する資料、カセットテープなど。文書は「ここに真実を書いて、自分の事は責任を取ります。伊藤一長長崎市長を許せないのは、市民のため、県民のため、不正を許せないからです」という内容。市の公共工事をめぐるトラブルについても記載されている。=以下省略
(2007年4月18日 日経新聞)

先ず、尊い命が奪われたことにつきまして、
心よりご冥福をお祈り致します。

さて、今回の事件について新聞各紙を見てみると、「暴力団関係の事件」として穏便に処理しようといった思惑を感じてしまうのである。「市長を殺し、自分も死んでも構わないぐらいの気持ちでやった」とある。どうだろうか。上の記事にあるような些細な理由で、しかも自分の命を張ってまで他人の命を奪おうとするだろうか。犯行に使う凶器が拳銃となったのは、犯人が暴力団関係ということで入手のし易さから偶々そうなっただけであって、犯行がいかなる凶器で行われたかということは、この事件の真相(深層)において大して意味を持たないのではないかとまで思うのである。今ある限られた材料から、この犯人の心理状態を想像すると、単なる一過性のものとは違い、継続的に「何かによって追い詰められていた」と私には取れるのである。

殺された伊藤市長、どうにも顔相や漂わせる雰囲気が何かを感じさせるのです。市長を3期12年。工事の入札に関する部署であったり、商工課であったり、市警であったりと、市政の色をこの12年の間に変えていったのではないでしょうか。戦争の無い平和な社会は、この市長だけに限らず、本国において、一部の政党の者らを除けば誰しもが望んでいること。そういった長年に亘る社会貢献を否定するつもりは全く無いのだが、その裏で、ということも考えなければならないのである。人や物事に裏表があることは世の常識。場所が被爆地である長崎だけに、人々のそういった目もついつい曇ってしまうのかもしれない。

テレビ朝日に送られていた文書の中に「ここに真実を書いて、自分のことは責任を取ります」、そして「伊藤一長長崎市長を許せないのは、市民のため、県民のため、不正を許せないからです」とある。どうだろうか。今回の犯行を示唆していたように思えないだろうか。もし、テレビ朝日がこれを番組で取り上げていたら、もしかしたらこの犯行は防げたのかもしれない。また、もし警察に届け出ていたら、尊い命を失わずに済んだのかもしれない。「暴力は良くない」と誰もがコメントする。しかし、ここで、この「暴力」を「法を犯すこと」に置き換えてみたい。松岡農相の「ナントカ還元水」の件は一体どうなったのだろうか。我が国の首相は擁護するばかり。そうもしているうちに松岡農相は、大阪の市民団体の手によって告訴され、他の政治家はと言うと、好機であるはずの野党であっても、表立った動きは一切無かったのである。

伊藤市長の娘婿が市長選出馬  長崎市の伊藤一長市長(61)が暴力団幹部に射殺された事件を受け、伊藤市長の長女の夫で西日本新聞記者の横尾誠氏(40)が18日午後、長崎市役所で記者会見し、市長選に補充立候補することを表明した。同市長選は15日に告示され、4選を目指す伊藤市長と、共産党や無所属の新人3氏が争う構図となっていた。同市選挙管理委員会が18日午前、公選法に従い補充立候補の受け付けを開始した。受け付けは19日午後5時で締め切られ、22日に投開票される。
(4月18日 デイリースポーツオンライン)

私の臆測が当たっているとしたら、大変失礼かもしれないが、これは危険な流れである。この流れを一旦絶ち切って、新しい水に入れ替える必要があるのではないだろうか。今までの傾向からすれば、世襲にプラス面は考えにくく、むしろマイナス面の方が目立つ。とにかく、信頼が大きく揺らいでいる今の警察やジャーナリズムに、この事件の真相(深層)究明ならびにその公表を今一度期待したい。

「日本沈没まで、あと95日」

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