Wednesday, November 22, 2006

白菜・大根卸値が大幅安

今日の日経29面、「白菜と大根の卸値が大幅下落した。いずれも平年(過去5年の平均)を4割ほど下回っている。10月以降の安定した天候で生産・出荷が過剰となったため。これを受け農林水産省は21日、産地での廃棄による需給調整を決めた。卸値が上昇しない場合、12月以降も廃棄されるため、出荷量が絞られ、今後は緩やかな上昇が見込まれる。」 さらに、「JA全農いばらきは8,800㌧の白菜を破棄する。『出荷価格は10月下旬から生産者の採算価格の半値ほどに低迷し続けている。生産者の所得を確保するためにやむを得ない処置』としている。」

一言で言えば勿体無い。二言目には頭を使え。広い世界には食料不足で飢餓に苦しむ国が数多く存在するというのに、日本という国は一体何をやっているのだろうか。白菜を捨てるくらいなら、キムチや漬物にでもして、倉庫で眠り続けている、ただ家賃の負担にしかなっていない米といっしょにそういった国々へ寄付してあげなさい、と言いたい。今回の農作物の廃棄は、生産者の苦労ばかりか、貴重な水に肥料まで無駄にしている。お役人の無駄遣いはお金だけにしておいて貰いたい。

ある物を作るにあたって一番初めに考えるのが、作る量であろう。料理でもそう、1人前なのか、2人前なのか。農作物にしたって同じである。農業は天候によって左右されるところがあるわけだが、生産を全国レベルで考ることにより、その天候リスクは平準化できるはずである。また、10月から2月くらいまでの間に一般消費者や食品加工業者等がどのくらい消費するのか、つまりは需要量を把握することが基本である。そして、天候リスクをも考慮した目標生産量を決め、それを生産地に配分する。もし、農林水産省やJA(農協)が今後も農作物の生産や流通に関わるつもりなのであれば、基本に帰り、算数レベルの勉強をし直すべきだ。また、減反する田畑が新たに出るようであれば、現在多くを輸出に頼る、元来日本で栽培されていた大豆などの作付けも考えるべきだ。生産者が必要とするものは安定した農作物の需要であり、その需要の大部分を占める消費者の要求は安全な農作物であろう。

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