Thursday, November 02, 2006

必修逃れ、「卒業不十分」9人合格(青森)

高校の必修逃れ問題で、私立青森山田高と私立青森明の星高で今年度、必修科目の成績を記載しない内申書を発行し、その内申書を大学に提出した生徒9人が合格していたことがわかった。文部科学省は「必修科目の成績が内申書に記載されていないのに大学に合格したケースは聞いたことがない」としている。両校では昨年度から必修逃れをしていたが、内申書には虚偽記載をせず、卒業要件を満たしていない履修内容のまま作成し、発行。昨年度は計30人以上の生徒が大学に合格していた。青森山田高では今年、必修科目の日本史を履修していない3年生の61人のうち、21人分の内申書をそのまま大学側に提出。これまでに8人が合格したという。青森明の星高も、35人が卒業に必要な日本史を履修しておらず、同科目の成績を記載していない内申書を2~3人分発行。1人が合格していた。両校とも、大学から指摘はなかった。青森山田高の稲見裕校長は「履修していない科目の成績を偽造するわけにもいかなかったので、空欄にして出した」と説明する。県教委は、「必修科目に成績が記入していなければ卒業できない生徒だとわかる」と指摘。文科省大学入試室は、「大学側が卒業できない生徒だと知っていながら合格させたのであれば、大学の責任も問われる」と問題点を指摘する。一方、青森市内の大学関係者は、「全体の成績はチェックしているが、科目の成績が抜け落ちている事態は想定していない。科目ごとの成績までは見ていない」と実情を明かす。(読売新聞)

これらが現代社会の、しかも教育に携わる者らが言うことなのかと呆れる。私が思うに、卒業の要件に満たない生徒らをそのまま卒業させた高校側が一番悪い。そういった生徒らを入学させた大学側もチェック機能の甘さを指摘されて仕方ないが、高校側がバレなければ良いだろうといった考えで内申書を提出したことの方がより悪い。内申書は本来、とても大切なものであるはずだ。
また、学校が週休2日制になったことや高校が予備校化しているといった教育現場の変化に対し、特に問題意識も持たず、ただ惰性で過ごしていた教育委員会、文部科学省の怠慢な職務姿勢も悪い。その存在意義も問われるべきである。気の毒なのは受験生であり、特にちゃんと履修していた生徒さんらである。大学受験は彼らにとって大きな一つの戦いである。単純に考え、未履修の生徒さんの受験に向けた時間を100とするならば、履修済みの生徒さんのそれは絶対的に100未満である。正直者が馬鹿をみる。それを良しと思わない大人らが、これからすべきことを考えなければならない。

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