Monday, September 10, 2007

Over The Rainbow

800万円いずこ 鴨下環境相「訂正」説明はつかず
首相、公言翻し問題視せず
鴨下一郎環境相(衆院東京13区)は7日、自身の資金管理団体の借入金問題にからみ、本人名義の銀行口座から1996年に200万円が引き出されたことが記録された通帳のコピーを公表しました。同氏は、これによって、「96年に200万円(を貸し付けた)ということが間違いないと確認された」と胸をはりましたが、1998‐2005年の政治資金収支報告書で、96年分の借入金を「1,000万円」と記載し続けてきたことについては説明していません。同氏は同日、収支報告書を訂正しましたが、訂正だけですむのか―。鴨下氏が示した通帳は「鴨下一郎」名義で、200万円の引き出しは96年5月23日。同氏の説明によると、口座は個人的な給与の振り込みや借入金の返済用のもの。鴨下氏は、この200万円が資金管理団体への貸し付けに回された「蓋然(がいぜん)性が高い」と強調しました。ところが、資金管理団体の収支報告書は、「96年8月10日」に借入金「1,000万円」と一貫して記載しており、差額の800万円は、いったい、どこに消えたのか、不明のままです。一方、衆院議長に提出が義務付けられている「資産等報告書」には、鴨下氏個人が誰かに貸している貸付金の残高は、00年6月時点で820万円で、それ以降はゼロになっています。鴨下氏は自分の資金管理団体にカネを貸しているのか、それともいないのか、貸しているならそれはいくらなのか。この説明も必要です。通帳のコピーだけではなく、鴨下氏と資金管理団体との借用証や残高証明の写しなど、金銭貸借を裏付ける書類の提示、公開が求められます。政治資金収支報告書は政治団体の会計責任者が「真実に相違ありません」という宣誓書を出して提出するものです。収支報告書の虚偽記載は、5年以下の禁固または100万円以下の罰金に処せられます。安倍首相は、鴨下氏の問題について、「記載ミスと聞いている」と問題視しない考えを示しています。しかし、「十分な説明ができなければ、去っていただく」と公言したこととの矛盾をどう説明するのでしょうか。(しんぶん赤旗)























伊吹派も記載漏れ、パーティー収入50万円
伊吹文明文部科学相(衆・京都1区)の派閥の政治団体「志帥会」が2005年に開催したパーティーの収入50万円を政治資金収支報告書に記載していないことが8日、分かった。パーティー券を購入した政治団体の報告書には支出が記されており、志帥会側の記載漏れとみられる。志帥会は亀井静香衆院議員が派閥の代表だった同年4月、政治資金パーティー「めざせ 新しい日本」を開催した。この際、政治団体「新政治問題研究会」(東京都千代田区、解散)が計50万円分のパーティー券を購入。同研究会の同年分の報告書には50万円を2回に分けて支出した旨の記載があるが、志帥会の報告書には同額分の収入は計上されていなかった。(日本経済新聞)

佐藤議員代表支部、300万円記載せず 岐阜県選管に訂正
自民党の佐藤ゆかり衆院議員(比例東海)が代表を務める自民党岐阜県第一選挙区支部が、2005年の政治資金収支報告書に自民党本部からの交付金300万円を記載せず、昨年9月に県選管に訂正を届け出ていたことが8日、分かった。収支報告書や県選管によると、05年8月から同年12月にかけ、自民党本部から5回にわたり計2,000万円が入金。うち同年8月25日に入金があった300万円を記載していなかった。佐藤議員の事務所は「選挙運動費用収支報告書には記載しており、それで十分だと思っていた」としている。(中日新聞)

消費税、増税時期示さず・安倍首相が所信表明演説
第168臨時国会が10日召集され、安倍晋三首相(衆・山口4区・3世)は同日午後の衆参両院本会議で所信表明演説をした。最大の争点であるテロ対策特別措置法の事実上の延長などのため野党に「建設的な議論」を呼びかけたほか、消費税増税を含む税制抜本改革では具体的な年限の明示を見送った。参院での与野党逆転を受けて従来の「安倍カラー」は大幅に後退した内容となった。臨時国会の会期は11月10日までの62日間。首相は冒頭、参院選での与党惨敗に触れて「『ここまで厳しい民意が示されたのだから、退陣すべき』とのご意見もあることは十分承知している」と「深い反省」を示した。一方、経済・行財政の構造改革、教育再生、安全保障制度の再構築など「戦後長く続いた諸制度を原点にさかのぼって大胆に見直す改革、すなわち戦後レジーム(体制)からの脱却がどうしても必要だ」と強調し、続投への理解を求めた。
(日本経済新聞)

安倍氏にとっての戦後レジームからの脱却とは、私には東京裁判そのものに思えてならない。同氏の祖父である故・岸信介氏は戦争によって当時の国民に多くの不幸をもたらしただけでなく、のちに現代政治の悪の根幹となる統一教会創価学会といった宗教カルトの設立と繁栄に力を貸した。岸信介氏は本来、東京裁判で裁かれるべき「昭和の妖怪」だったのだ。輪廻転生。

政治家にとっての戦後レジームからの脱却とは、「政治とカネ」そのものだろう。公金を扱う者らが自身の資金管理でミスを連発することなど、その真相は別としても到底許されるべきことではない。しかしながら、国の主権者であり、また選挙人(有権者)でもあるわれわれ国民にも問題があるのだと認めざるを得ないのではないだろうか。政治資金規正法の内容を知らなくとも、我が国の最高法規である日本国憲法に書き示されていることから勘案すれば、そう思うのがごく自然ではないだろうか。

日本にとっての戦後レジームからの脱却とは、同盟国である米国との関係見直しなのではないかと私は思うのである。日本は広島・長崎の原爆投下という大惨劇の末に戦争を放棄した。暴力の伴う一切の争いごとを放棄し、そして世界平和の希求を誓った。そういった背景からして今の米国の言うなりになることが果たして日本の国益になるのだろうか。また、アルカイダといったテロ組織の怒りや不満の矛先は戦争国家である米国に向けられているのではないだろうか。それを補完、援助する国はそれと引き換えにどういったリスクを負うことになるのだろうか。本当の意味での国益を考えることができる政治家ならば解り得るはずである。先人たちが歩んだ様々な歴史を学び得た我々には我々らしい国際貢献の手段、方法がきっとあるはずである。テロ活動の沈静化を本当に願うならば、先ず米軍が紛争の地より撤退すべきである。それよりも米国は自国経済の立て直しや食料・エネルギー問題も含めた地球温暖化対策に注力すべきである。ブッシュ大統領と安倍首相の共通点を、世襲である点とそれゆえに指導者としての真の実力を持ち得ていない点に見てとることができないか。

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